2022/09/06 07:11
BONGAマスターのスパイスうんちく 2022.09.03
「エルブドプロバンス」
★知識
【仏名】Herbes de Provence
【別名】エルブ・ド・プロバンス/エルブ・ド・プロヴァンス
フランスのプロバンス地方のハーブという意味です。
古くからプロバンス地方の料理に使われてきたブレンドスパイスで、もともと南仏の家庭の庭に生えていた、シソ科やセリ科の植物の生をひと括りにして、魚肉の料理に加え、臭い消しや香りづけとして使用されてきました。
1970年代になって一般的に知られるようになり、乾燥させたスパイスをホールまたはパウダーにして使用されることが多くなりました。
←フレンチハーブソーセージ
タイム、セージ、フェンネル、ローズマリー、セイボリー、バジル、ラベンダーなどが主に使用されますが、特に決まった調合比はなく、4~5種類を好みや料理に合わせてブレンドされて使われます。
数種類のスパイスをブレンドすることで、個々の特徴的な香りが深みのあるマイルドな香りになり、スパイス料理初心者の方でも失敗なく使いやすいでしょう。
辛味はなく消臭、香りづけの役割をするブレンドスパイスです。本格的な南仏料理の風味付けや彩りを添えることができます。
★料理
魚肉類の臭みを抑え、爽やかな香りをつける効果があります。
魚肉のグリル料理、シチュー、ブイヤベース、ラタトゥユやポトフなどの煮込み料理の他、卵や乳製品を使った料理に使用されます。
グリル料理やバーベキュー、香草焼きには塩、ペッパー、ニンニク、オリ-ブオイルなどと食材にあらかじめまぶしてからローストします。スープや煮込み料理、その他の料理には料理の途中に少量を加えて使用します。
出来上がったスープに少し振りかけるだけで、上品で複雑な香りを持つ南フランス(プロバンス)風スープができます。
★エピソード
ラタトゥユとは
玉ねぎ、ナス、ピーマン、ズッキーニといった夏野菜をにんにくとオリーブ油で炒め、エルブ・ド・プロバンスとトマトをワインで煮て作る。 そのまま食べるか、パンと共に食べる。パスタソースにすることもある。
ラタトゥイユの語源は「touiller」(かき混ぜる)「rata」(軍隊スラングでごった煮)で、1778年に最初に書籍に登場したといわれる。元々軍隊や刑務所で出される料理であったため、日本語におけるいわゆる「臭い飯」と同意語として使われることがあり、「まずい料理」あるいは「粗末な料理」の代名詞としてフランス人の口に上ることもあるが、新鮮な野菜で作られたものは「ニース名物」の名に恥じない。